充填機のメンテナンス方法

充填機と上手に付き合っていくためには、お客様自身による日々のメンテナンスと、一定期的なプロの技術者によるメンテナンスが必要です。
充填機は、機種によってメンテナンス方法が異なりますので、それぞれの充填機のメンテナンス方法をご案内します。

チューブポンプ式充填機の場合

チューブポンプ式充填機では、使用するチューブを、定期的に交換する必要があります。

交換が必要な部分のチューブは、ローター部でしごかれて凹んだり、ふくらんだりを繰り返しているローターチューブの部分じゃ。おおよその交換目安は、1ヶ月~3ヶ月ごとに交換する必要があるぞ。(※1)

チューブポンプの交換を疎かにしていると・・・

ローターチューブが劣化してくると、まず充填量が少なくなったり、充填スピードが遅くなったりします。
そして最終的には、チューブが切れて、生産が止まってしまったり、異物混入の原因になったりと、大変です。

ノズル先端に装着している「シャット弁」というシリコン製の、液だれ防止ノズルも定期的な交換が必要です。
交換時期は充填物や使用期間にもよりますが、おおよそ1ヶ月~2か月での交換が一般的です。
シャット弁が劣化してくると、液ダレが止まらなくなり、容器を汚したりしますので早めの交換を、オススメします。

ロータリー式充填機の場合

ロータリー式充填機は、接液部がホッパーとポンプ部のみなので、メンテナンスが非常にカンタンな充填機です。      

ポンプの後ろ側でシャフト(回転軸)を支えている部分に、オイルシールなどの消耗部品がある。ロータリー式充填機は、消耗部品の定期的な交換が必要じゃ。交換の目安は、1ヶ月~3ヶ月ごとじゃ。(※1)
非常に安価な部品なので、早め早めに交換することを、強くオススメじゃ。

オイルシールの交換を疎かにしていると・・・

交換せずに使用を続けた場合、シャフトの回転ブレによるポンプ本体の損傷につながります。

ピストン式充填機の場合

ピストン式充填機は、シリンダとピストン部の接液部の多くが精密な金属製なので、部品を落としたり、雑にあつかって傷をつけてたりしてしまうだけで、充填機が使えなくなる可能性があります。
取り扱いには、注意が必要な充填機です。

ピストンには、充填時に圧力を保持したり、充填物が漏れないようにするための、シール部(ピストンリング)があるのじゃ。このシール部品は、定期的に交換が必要じゃ。(交換目安:約1ヵ月~6ヵ月 ※充填物による)

 

ピストン式充填機に関しては、ここには一般的なメンテナンス方法をご案内していますので、同じピストン充填機でも、メンテナンス方法は、各メーカーによって微妙に違います。購入したメーカーの取り扱い説明書に従って、メンテナンスをするようにしてください。

フィーダー式充填機の場合

ナオミの振動フィーダー充填機(FTZ)は、定期的な交換部品が非常に少ない機種で、通常の使用であれば、ある意味メンテナンスフリーに近い充填機であるともいえます。
ただし、注意点として、計量ボックスは、片持ちロードセル方式となっておりますので、非常にデリケートな部分です。なので、本体を移動・または運搬する場合は、必ず計量ボックスは取り外してから運んでください。

 

冒頭にも書きましたが、どの充填機でも、適切なメンテナンスを受けることで、本来の性能を維持できます。

その点で最も大切なのは、消耗部品の交換です。

新車のクルマでも、なんのメンテナンスもせずに乗り続けたら、いつかは大きな故障でトラブルになります。
充填機の消耗品は、クルマで言えばタイヤのようなものです。タイヤは、少しづつ擦り減ってきます。タイヤを交換していなければ、そのうち溝がツルツルにすり減った危険なタイヤとなり、スリップ事故を起こします。

もし、タイヤを交換しないままにしておくと、最後にはバースト(タイヤの破裂)を起こして、重大な事故を引き起こしてしまう可能性があります。これと同じことが、充填機にも起こるのです。

日常点検は、お客様自身で実施してみてください。
そして車検に相当する、充填機メーカーからのメンテナンス案内が届きましたら、必ず有償メンテナンスを受けることをオススメします。

充填機メーカーによって、メンテナンスの案内方法は異なりますので、充填機を購入する前に、充填機導入後は、どのくらいの期間で、定期的にメンテナンスに来てくれるのか、確認しておくと良いでしょう。

 

※1:使用頻度によっても異なります。

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