充填機の洗浄方法

充填機において、生産と同じくらい大切なことは「洗浄」です。
洗浄を疎かにすると、商品に不備が出るだけでなく、食中毒や異物混入など、大変なことになりかねません。
ここでは、充填機の機種ごとの正しい洗浄方法と、注意点をお伝えします。

チューブポンプ式充填機の場合

チューブポンプ式充填機の場合、洗浄する部分は、チューブのみです。
プリンやゼリーなどの充填物がとおるチューブの正しい洗浄方法をお伝えします。

1、チューブを充填機本体から外す前に、まずは、お湯または洗浄剤(ナオミの場合:コマパンチ)を薄めた溶液を、バケツなどに溜めて、吸い込み口と吐出口を両方入れて、充填機を稼働させてチューブ内を循環洗浄する。

2、次にチューブを充填機本体から外し、チューブを接続しているニップルなどをはずす。

3、水または洗浄液を用意し、専用チューブブラシでチューブの内側を清掃する。

4、清掃後、充分に水ですすぎをする。
  
5、最後に除菌剤(ナオミの場合:コマクリーン)を、規定の希釈した溶液につけ置きする。

6、その後、完全に乾燥させ、清潔な場所でチューブを保管する。

ロータリー式充填機の場合

ロータリー式充填機の場合、洗浄する部分はポンプヘッド部のみです。

1、ロータリーポンプ部を充填機本体から取り外し、 前面カバー・ローター部・シャフト・それぞれを洗浄する。

2、ローター軸受部分のオイルシール、樹脂カラーなどを取り外して洗浄する。

3、すべての部品が乾いた後、ローター部と組み立てる。

洗浄後は、ローターを正しい方向に組むのじゃぞ。
組み立て方が分からなくなる可能性がある場合は、写真などで正しい位置を、保存しておくもの良いぞ。

ピストン式充填機の場合

ピストン式充填機の場合、部品の数が多く、また金属部分は重量があるので、
洗浄は慎重に行う必要があります。

1、ピストンポンプの接液部を充填機本体から取り外す。

2、シリンダ・ピストン・切り替えバルブなどを、順次、分解して洗浄する。

3、それぞれの部品を洗浄する。

※ピストン式充填機は、金属部分が多く、重量もある。
部品を足に落とすと、怪我をする危険があるぞ。部品を分解する時は、慎重に行うのじゃ。
※切り替えバルブ部分は、特に充填物が残りやすいので、丁寧に洗浄するのじゃぞ。

スクリュー式充填機(オーガ充填機)の場合

スクリュー式充填機(オーガ充填機)の場合、分解して洗浄をする部品がたくさんあります。

1、接粉部のパーツを、充填機本体から取り外す。

2、ホッパー・スクリューなどを洗浄する。

スクリュー式充填機(オーガ式充填機)の場合は、いったん洗浄するとパーツが完全に乾燥するまで、次の充填物をスタートできないので、スクリュー部分の予備セットがあると便利じゃ。

フィーダー式充填機の場合

ナオミの振動フィーダー充填機(FTZ)の洗浄のしかたについて、ご説明いたします。

1、本体より、吐出シュート→軽量ボックス→ホッパー→トラフ(振動プレート)の順に取り外す。

2、上記4点を取り外した後、水洗いをする。
※組み立てたままでも、IP65防滴レベルを確保しているので、単に上から水道水で流してもらうことも可能です。
※ただし、水平よりも下で、上に向かって水をかけたり、上からでも高圧洗浄で水洗いしたりすることは不可です。

 

振動フィーダー充填機は、工具レスで分解ができるうえ、取り外した後は、水洗いが可能なのじゃ。分解・洗浄・組み立てが簡単な充填機だな。

 
上記の充填機以外にも、ベーン式充填機などもありますが、基本的には、上記で述べたように、接液部または接粉部を丁寧に洗浄し、乾燥させることが最も大切です。

また、電気制御部分には、水をかけないことも重要です。
充填機の取り扱いに不慣れな作業者の方には、特に丁寧に洗浄方法を教えてあげてください。

 
単に、「綺麗に洗浄してください」だけの指示などでは、充填機本体や電気制御の部分も、間違って水洗いしてしまい、思わぬ故障の原因となりますので、十分な配慮と注意が必要です。

また、この洗浄方法は一般的なものなので、例えば同じロータリー式充填機でも、充填機メーカーによって、洗浄方法が異なる場合があります。各充填機メーカーの取り扱い説明書を、十分に読まれたのち、洗浄作業を行ってください。

TOP